よくある質問(通常の篆刻、彩色篆刻)
1・道具編
どの石(印材)を選べば良いか
  同      が刻りやすいか
練習用としては(たまに硬いのもあるが)青田石が良いでしょう
※最近の青田石は鉄分を含んだものが多く特に2寸以上は硬くて刀が立たない箇所が数多く避けた方が良いかも知れません。(2007.3月現在)
(巴林石、寿山石、遼凍石も可)、大きさは7分か8分が手頃
辞書は何が良いか 最初はやはり高いと感じるが,いずれ必要になり
「篆刻字林」三圭社が良いと思います

その後は目的に合わせ決定する
金文編、甲骨文編、古璽文編、朝陽字鑑、説文解字など
印泥は何が良いか 朱の色によりランクがあるが「美麗」が一般的です
自分の作品に合わせて使い分けられると更に良い
印刀の斜刃は必要か 個人により違うがあまり必要でない
(最初の頃は小印の込み入った箇所で使用していたことがある)
印刀は一本で良いか 印材(市販)は0.6ミリから4センチ角の物まで大小有ります
最低でも大中小三種類位揃えて使い分けられるとよい

(また価格も300円位のものから1万円位のものまであり刀を作る過程によって違うので余裕があれば良いものを揃えたい)
印泥はいつ買うか(買い足すか) 印泥の状態は作品の良し悪しに影響します、
新品を買うのは秋から冬にかけて寒くなる時期ががベストです

※印泥の状態を常にベストに保つことが良い作品つくりの第一歩です
印泥がやわらか過ぎるが 5月以降気温が上昇するにつれやわらくなってくるので冷蔵庫などで調節する、逆に冬は付きが悪くなるので暖めます
光明、美麗など印泥を混ぜて
良いか
混ぜて良い
むらのないようにするには相当時間かかりますが色々混ぜて自分の色を出して使用している人もいる

分量の加減もあるが白と朱を混ぜると綺麗なピンクになる
また同様に白と黒を混ぜるとグレーになる           ⇒こちら
鈕(チュウ)の向きは 龍、獅子などが彫られているが前向き、後ろ向きどちらでも良い
両方の説があるためで、一度どちらか決めたら変えないことです
朱墨は安価なものでも良いか メーカーにより異なり一概には言えないが、
価格で2000円位以上(純度による)のものをお勧めします
(黒と朱と交互に構成を直していくため境界が
はっきりしなくなることがあるため)
印刀の切れが悪いが 砥石で数分砥ぐ
印刀も筆と同じように初歩・練習用から専門家用(200円〜10000円位)まで有ります、良い道具は高価だが使いやすいです
印材をペーパーで磨くと斜めになる 2〜3回おきに回しながら磨くと比較的ななめになるのを抑えられる
中心に力が均等になるように注意する
印床は必要か 最初は有った方が安全、また運刀の失敗も少なくてすむ
慣れてきたら手で持って刻るのも良い
有れば特に1センチ以下の印を刻る時便利
ネジ式とくさび式がありどちらでもよい
印矩(いんく)は必要か 2寸(前後)以上の印になると紙にもよるが一度押しではキレイに押印するのは難しく印矩を使って二度押しする。
(ずれないようになるには何度か試してみることが大事)

L型とT型がある
バレンはどこで手に入れるか 竹の皮で作る                  
バレンの作り方
印面の保護は  印面の保護には袴をつけます
袴(ハカマ)の作り方
釣鐘墨とは 拓本をとるための専用の墨
篆刻では側款を取る時に使う
竹根は何で刻るか 人により印刀で刻る人と彫刻刀で刻る人がいるが決まっていません
篆刻用の硯は 篆刻では朱墨と黒墨使って印稿を作りますから
朱墨用と黒墨用と同時に使用できる(海が二つある)二面硯が有る

硯2丁でも良いです
2・実技編
刻るのにどのくらい時間がかかるか 個人差又文字にもよるが7分(2センチ角)一文字で
白文30分、朱文40分位です
平らにペーパーで擦れない 手首が上下して斜めになることが多いため2,3回ごとに持つ方向を変えるか回しながら擦ると比較的斜めになりにくい
印面をペーパーで磨いて布字する際、面を朱で塗るか墨で塗るか どちらでも良い
朱が多いが中には黒が見やすいといわれる方がいる
自分が刻っていくときに残っている字が見やすい方で良い
印刀の持ち方は 握刀法など呼び名のもとに色々ありますが、
自分が運刀しやすい持ち方なら何でも良いでしょう
刀の傾ける角度はどの位 雅味など計算してその時の作品効果によって向きを変える
その時の石の硬さにもより自分で色々試して体得するほか無いでしょう
刻る時押すのか引くのか その場のよって両方使う
辺などは慎重を要するので押した方が失敗し難いでしょう
印稿は必要か 印稿はてんこくの一番大事な仕事です。
印稿にどれだけ時間をかけ推敲したかで、作品完成後飽きのこない作品が出来るので、できるだけ多くの時間をかけたい
てんこくの70%以上を占めていると考えている
朱文の時の輪郭の太さは 朱文の時の輪郭は文字の一部と考えて下さい
中の文字より輪郭が細いと貧弱に見えます
どのくらい深く刻るか バレンを使用するので刻り残しが付かなければ良い
(雑誌などの上で押印するのは間違い、
硬い真直ぐなものの上(ガラス板など)が良い)
どこから(どの字から)刻ればよいか てんこくは書道の一部門で筆順通りが理想だが
印材の硬さなど刻ってみないとわからないので
こちらを優先し隅や端など大事な箇所は運刀加減が
つかめてきてから刻るようにする
布字(ふじ)とは どのようのに刻るか文字の構成を考え(デザイン)
石に裏字にして書くこと。最も大切です。
納得がいくまで推敲してないと後で後悔する故十分に時間を使う
基本三法とは 字法・・・文字の使い方に誤りがないか
章法・・・決めた文字・字形をどのように配字するか
刀法・・・印刀の使い方
一つの印文の中に金文と印篆と一緒にして良いか 金文は金文で、印篆は印篆で統一したほうが良い
(特別な作者の作意がない限り
2字以上の語句の時交差しても良いか 勢いで交差するのは良いと考えています
書でも勢いで隣の字と交差しているのを見かけます
どこにギザギザを付けるか 書道の「かすれ」にあたるところで雅味と言います
一度刻る字を書くと良いでしょう
刻る時印刀をどのくらい傾けるか 作品効果による雅味の大小によって加減を自在にする
布字の時サンズイ編、木編、ノギ編など上下左右の比率は 作品により異なるが、バランスの良い所というこになるが、具体的には大家の入れ方を取り入れることも良いと思う(呉昌碩などの「編」をまねて見る)。多くの作品を見て眼を養うことです
他の編旁も同様です
真直ぐ運刀できない 運刀しやすい角度がありやや傾け加減が良いようだが、人により違う為
色々試しどの角度が良いか探すことが必要
(専門的になるが作品制作には角度を変えて運刀し雅味を出していく)
後は失敗を恐れず思い切って運刀すること
硬くて刻れない箇所がある 自然の石なので仕方ない(硬い石の姿を覚えておき次に買うとき避ける)
最近は特に青田石がその傾向にあり他の種類にかえてるのも一法か
真直ぐ運刀の後止めたいところで
止められない
刀を持ってない親指に乗せて運刀すると止めやすい
行き過ぎても勢いと見て良い場合もある
後は経験か
左利きの人は刀をどちらで持つか 書道では左利きの人も右で書くようにするが
(文字が右回りにできている為)
篆刻では左利きの人は左で運刀して良い
補刀は何回でも良いか これで完成と判断できるまで良い
文字を刻った後に石の周りを叩くのは
(撃辺すること)
購入した時の印材は化粧落しがしてきれいな為中の刻った文字に合わせて雅味を付けるため叩く
刀の腹が普通だが希望する効果により角や釘など他のものも使用することもあります
側款の書体は 一般には楷書が多いがどの書体もあります
側款がすでに入っている印(他人が刻った印)を刻り直した時の側款は 最初に刻られたいた正面の向きを変えて刻り直し、側款は「○○再刻」と入れます
村田さん、中村さんなどの名前の時の「村」は 落款印などの名前の時は「邨」が本字ですが「村」で良い
                           その他の例
拓款とは 側款の拓本を取ったもの(取ること)
線の最後の終わる形は
その時々により異なる
名作(呉昌碩)などの線はどうなっているか観察することです

最初の刻り始めも同様です
起筆、終筆に当たる部分で、実際に書いてみるとよい
一回で綺麗に押印できないが 印矩(いんく・定規のようなもの)を当て二度押しする
(一寸角以上になると一度押しで綺麗に押印するのは難しい
また印泥の管理も大切です。(ギタリストの爪のようなもの)
一作品に美麗、上品など印泥を
文字によって変えて良いか
公募展など通常篆刻として審査される作品でなければ賛成です
印泥は何を使用するか 一般的には美麗だが時には作品に華やかさを求めるときは箭鏃を、柔く落ち着いた味わいを求めるときは上品を使用することもある
3・その他
ある程度刻れるには何年かかるか 年数は3年以上、個数は80個以上をともにクリアした頃
独創的な作品が作りたいが 古典作品を良く鑑賞して目にとまった箇所をメモし草案を膨らませる
(展覧会などでこんなアイデアはとても浮かばないと思う作品でも
古典がヒントになっているものが多い)
実印として使えるか 使えません実印は欠けてはいけない、雅印は欠けを作る
領収書のサイン代わりなら使えます
陶印を作る時の注意点は 焼く時空気の加減で面の中央が凹むため、
素焼きの状態で印面を少し凸型の丸くすします
色紙に押印する時に合う大きさは 一昔は一般的に漢字で4文字の時は4分(3顆組)、
2文字の時は5分(3顆組)、1文字の時は7分(3顆組)を、
また、かな作品には3分位を使用していました
現在では作家のバランス感覚でよい
以前梅先生も漢字4文字で8分を押印されていましたし
作品のバランスや作家の感性で自由に使い分けているようです
模刻は必要か 書道でいう臨書にあたり技術向上に欠かせないものです
基本三法を元となる印と対話するつもりでじっくり取り組んで欲しい
どの印を模刻するかは自分が良いと思う印で良いが、
何ときかれれば取りあえず「漢印」が理想ではないかと思います
(時間かかりますが得るものも大です)
マジックで転写する方法は 転写するものをコピーしマジックインキの黄色でなぞり爪などで軽く擦る
女性の人がマニキュアで使う時の除光液でも写ります

詳しくは真鍋井蛙著「超かんたんマジック転写法」を御参照下さい    
篆刻用の額は有るか 有ります。
各展覧会のよって規定の大きさが決められており専門店なら○○展用として用意してあることもあります。
倣刻とは 元の印の特徴、作風をとらえそれを土台にして創作すること
色付けは何を使用するか 顔彩、水彩絵の具、水彩色鉛筆など
刻ったあとの保存方法は ハカマなど作って印面が欠けないようにします
(よく1つの箱に無造作に入れているのを見かけるが
折角雅味「カケ」1つ注意して作っても無駄になる)


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