林 楽園先生による
○篆刻とは何か
篆刻とは広義に言えばすべて物に、文字その他を刻りつけること。
普通には印章とする為に文字を印材に刻る事を言う。
篆刻は印刻の別名と言って差し支えない。
実際には篆刻と印刻は区別して考えられ、印刻は実用的なものを呼ぶ。
篆刻によって刻られたものを「雅印」と呼び、書画・その他芸術作品に用いているが、
実はどちらも印章であることに変わりない。
刻者の書法的技倆と刻る方法に多少の相違があり、その出来上がり作品の
文字や形態に死活雅俗の別を生じる。用途も雅用と俗用の区別を生じるに至った。
故に実用印が必ずしも俗印ならず、雅印必ずしも風雅ならずである。
中日書道会顧問(昭和46年5月逝去)
林先生作品
万法帰一    向上無限
印刀の研ぎ方
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